【評価】KMCハイパーマットスリーブを徹底レビュー

無地スリーブの定番と言えば、KMCから発売しているカードバリアーハイパーマットスリーブ。
安価でコスパがいいので、昔も今もハイパーマットを使っている人は多いと思いますが、意外に他のスリーブと比較した時の長所・短所を把握している人は少ないのではないでしょうか。
ということで、今回は、KMCカードバリアーハイパーマットスリーブの特徴&性能を徹底紹介します。
ハイパーマットスリーブを使った感想だけでなく、他の無地スリーブと比較して「透明度・硬さ・裂けにくさ・接着部分の処理・シャッフル感・デッキの崩れにくさ」を評価しています。
また、その他の無地スリーブも知りたい方は『無地スリーブのおすすめ徹底比較』をチェックしてみてください。
スタンダードサイズ用


スモールサイズ(ミニサイズ)用
ハイパーマットスリーブの情報・評価


発売元 | KMC |
サイズ | 《スタンダード》66×91㎜ 《ミニ》62×89㎜ |
枚数 | 《スタンダード》80枚 《ミニ》60枚 |
加工 | 表面:クリア 裏面:エンボス加工 |
色の種類 | 《スタンダード》7色 《ミニ》6色 |
製造 | 日本 |
無地スリーブとしての評価
透明度 | 4.0 |
硬さ | 4.0 |
裂けにくさ | 2.0 |
接着部分の処理 | 3.5 |
シャッフル感 | 3.0 |
デッキの崩れにくさ | 4.5 |
- 1枚あたりの値段が安い
- デッキ崩れしにくい
- 側面が裂けやすい
- 横入れシャッフル時にひっかかりを感じる
ハイパーマットスリーブの特徴
まずは、KMCカードバリアーハイパーマットスリーブの特徴から紹介します。
スタンダードサイズ用の『ハイパーマットスリーブ』とミニサイズ用の『ハイパーマットミニ』の大きさは以下の通り。




- ハイパーマット…66×91㎜
- ハイパーマットミニ…62×89㎜
実際に「ハイパーマットに63×88㎜(ポケカ)を入れた写真」と「ハイパーマットミニに59×86㎜(遊戯王)を入れた写真」がこちら。




また、ポケカ・遊戯王にインナースリーブ(64×89㎜・60×87㎜)を付けた状態でも入ります。




ハイパーマットスリーブの表裏の仕様は、表面がクリア面、裏面がエンボス加工になっています。


エンボス加工が施された裏面は凹凸があることで、スリーブ同士がくっつきにくく、シャッフルしやすくなっています。
また、ハイパーマットスリーブのメーカーはKMCで、日本の会社です。
パッケージに「日本製」と書いてある通り、製造も日本で行われています。(ミニサイズも日本製)




ハイパーマットスリーブの性能


ハイパーマットスリーブの性能について、他の無地スリーブと比較しながら紹介します。
検証した項目は、以下の8点です。
- 透明度
- 硬さ
- 裂けにくさ
- 透けにくさ
- 凹凸感
- シャッフルのしやすさ
- デッキの崩れにくさ
- 接着面の処理
①透明度
ハイパーマットスリーブにポケカを入れて、透明度をチェックしてみました。


写真からクリアなことは分かりますが、これではほかのスリーブと比べて透明度が高いのか分かりません。
そこで、ハイパーマットスリーブの透明度を比較するために、以下のように検証しました。
まずは、様々な無地スリーブのクリア面を四角に切り取ります。(1種類につき3枚)


切り取ったスリーブを3枚重ねて、カードの上に置きます。(1枚よりも3枚の方が差がハッキリわかるため)


切り取ったスリーブをそれぞれ3枚ずつカードを上に置き、イラストの鮮明さを比較しました。


写真では分かりづらいですがハイパーマットスリーブは上段の左から3番目(中央)です。
比較した結果、ハイパーマットスリーブの透明度は標準的なクリアさで、KATANAスリーブと同程度でした。
ハイパーマットスリーブよりも透明度が高ったのは、『ウルトラプロ イクリプススリーブ プログロス』『ドラゴンシールドスリーブ』『KINGスリーブ』でした。
②硬さ
片方の手で2種類のスリーブをつまむようにして持ち、もう片方の手で膨らんだ部分をトントンと叩くことで、スリーブの硬さを比較しました。(2種類のスリーブの形を同じにするのが大事)


ハイパーマットの硬さはまずまず硬い方で、KATANAスリーブ・ドラゴンシールドスリーブ・KINGスリーブと同程度でした。
ハイパーマットスリーブ以上に硬いのは、同社から発売しているハイパーストロングスリーブでした。
③側面の裂けにくさ
無地スリーブの側面を引っ張って、裂けにくさをチェックしました。


側面の裂けにくさは個体差もあるので、無地スリーブを無作為に3枚ずつ取り出して、1枚につき両側面を引っ張って、1種類につき6回検証しています。
検証後の無地スリーブの残骸がこちら。


ハイパーマットスリーブの側面を6回引っ張った結果がこちら。
- 強い力でも全く裂けなかった…0回
- 強い力でなんとか裂けた…0回
- 中程度の力で裂けた…3回
- 軽い力で裂けた…3回
ハイパーマットスリーブのサイドを引っ張ると、6回中3回は軽い力でサクッと裂けました。


検証した無地スリーブの中で比較すると、かなり裂けやすい方です。
同じ力でもKATANAスリーブやUltraPro イクリプススリーブは全然裂けませんでした。
無地スリーブを裂けにくい順に並べると、以下のようになりました。
KATANA>ウルプロ イクリプス>KINGスリーブ>アクラス ザラザラマットPro>ハイパーマット>ドラゴンシールド
④透けにくさ
一般的に明るい色の無地スリーブ(白・黄色・オレンジ・水色など)はカード裏面のイラストが透けやすいので、ハイパーマットスリーブで一番透けそうな「ホワイト」にポケモンカードを入れて透け具合をチェックしました。
見た目で分かりやすいように、裏面が透けやすいUltraProのデッキプロテクタースリーブ(イエロー)と透け具合を比べたのがこちら。


右側のウルトラプロ デッキプロテクターはポケモンカード裏面のイラストや文字がうっすらと透けています。
ハイパーマットスリーブは写真では分からないですが、実はよ~く見るとうっすらと透けています。ただ、その程度です。ぱっと見で分からないレベルなので、ハイパーマットはそこまで透け感を気にする必要はないと思います。
無地スリーブの透け感が気になる方は、以前に紹介した『アルミインナースリーブ』で透け防止するのがおすすめです。
⑤凹凸感
エンボス加工は凹凸の深さや均一性に違いがありますが、ハイパーマットスリーブは凹凸が粗めで、手触りがザラザラです。


他のスリーブの凹凸感と比べると、最も近いのはKATANAスリーブでした。(下の画像参照)


エンボス加工のザラザラとした感触が好きな方は、ハイパーマットスリーブがやKATANAスリーブがぴったりだと思います。
⑥横入れシャッフルのしやすさ
横入れシャッフル(ファローシャッフル)は、最初にスリーブの束を挿しこむ時にスリーブの側面同士がぶつかりやすいのが気になります。
KATANAスリーブやイクリプススリーブプロマットはスリーブの束をあてがうとスッと間に入っていきますが、ハイパーマットはぶつかって止まることが多いです。


また、スリーブの間にストンと落ちていかないので、最後にグッと押し込む必要があります。
ただ、横入れシャッフルは細かなやり方の違いやスリーブを重ねる枚数、スリーブの劣化具合によっても変わってくるので、実際に自分で触ってみるのが一番です。
⑦デッキの崩れにくさ
板の上に様々な無地スリーブを30枚ずつ重ねて置き、板を軽く揺らして、デッキの崩れにくさを比較してみました。


10種類の無地スリーブと比較して何度も試してみましたが、ハイパーマットスリーブはスリーブが滑り落ちにくく、デッキ崩れしにくかったです。


一方で、エンボスの凹凸が細かいスリーブ(アクラス ザラザラマットProやKINGスリーブ)は滑りやすくて、デッキ崩れしやすかったです。
⑧接着部分(裁断部分)の処理
ハイパーマットスリーブ底面の接着部分(裁断部分)は綺麗な方ですが、たまに熱をかけて接着した時の溶け跡が見えるものもあります。


特に、ハイパーマットスリーブを束にして底面を確認すると、接着面(裁断面)の溶け跡(白っぽさ)が目立ちます。
ハイパーマットの底面


ちなみに、高品質スリーブの『KATANAスリーブ』や『イクリプススリーブプロマット』も同様に確認すると、接着面(裁断面)の粗さがほとんど見られません。
KATANAスリーブの底面


イクリプススリーブの底面




ハイパーマットのカラーバリエーション
KMCカードバリアーハイパーマットスリーブのカラーバリエーションは以下の7種類です。
画像 | カラー |
![]() ![]() | ハイパーマット ブラック |
![]() ![]() | ハイパーマット クリアー |
![]() ![]() | ハイパーマット ブルー |
![]() ![]() | ハイパーマット レッド |
![]() ![]() | ハイパーマット グリーン |
![]() ![]() | ハイパーマット ホワイト |
![]() ![]() | ハイパーマット パープル |
ハイパーマットのカラーバリエーションにはオレンジ・黄色・水色・黄緑色などの明るい色がなく、全体的に暗めで落ち着いた色が多い印象です。
また、他の無地スリーブの色の種類と比べると、KATANAスリーブが10種類、UltraProイクリプススリーブが12種類、ドラゴンシールドスリーブが31種類なので、ハイパーマットは色の選択肢が少ない方です。
ちなみに、ハイパーマットでどの色が人気かというと、Amazonのトレーディングカード用スリーブの売れ筋ランキングでは、1番人気が「ブラック」で、2番人気が「グリーン」でした。






ハイパーマットスリーブの種類
ハイパーマットスリーブには、通常タイプの他に『ハイパーストロング』と『ハイパーマットプレミアム』があります。


ハイパーマットプレミアムは、クリア面が光を反射しないマット仕様になっているのが特徴です。ハイパーマットスリーブと比較すると、汚れが目立たない・傷がつきにくい・横入れシャッフルがスムーズにできるのが魅力です。
ハイパーストロングは、スリーブの厚みが増したことで、スリーブ強度がアップしています。
それぞれの違いを詳しく知りたい方は、別記事で『ハイパーマットシリーズ3種類の性能を比較した記事』も書いているので、こちらもぜひチェックしてみてください。
【最後に】値段の安さが魅力のハイパーマットスリーブ


以上が、KMC カードバリアー ハイパーマットスリーブの徹底レビューでした。
最後にもう一度、ハイパーマットスリーブのメリット&デメリットをまとめます。


- 1枚あたりの値段が安い
- デッキ崩れしにくい
- 側面が裂けやすい
- 横入れシャッフル時にひっかかりを感じる
これまで様々な無地スリーブを使ってきましたが、ハイパーマットスリーブの良いところは、なんといっても値段の安さです。
分かりやすいように、他のスリーブと1枚当たりの価格を比較してみました。(記事執筆時点でのヨドバシ.comで販売されている値段から計算しています)
(枚数・価格) | スリーブ名1枚当たりの価格 |
![]() ![]() KMC ハイパーマットスリーブ (80枚・480円) | 6.0円 |
![]() ![]() Ultimate Guard KATANAスリーブ (100枚・1,370円) | 13.7円 |
![]() ![]() Aclass ザラザラマットスリーブPro (80枚・1,080円) | 13.5円 |
![]() ![]() TOYGER KINGスリーブ (80枚・998円) | 12.5円 |
上の表のとおり、ハイパーマットスリーブの1枚あたりの値段は、KATANAスリーブ・ザラザラマットスリーブPro・KINGスリーブと比べると半額くらいです。「無地スリーブをとにかく安く手に入れたい」という安さ優先の方はハイパーマット1択でしょう。
品質面は、安いから低品質というわけではなく、僕が比較した中ではまずまずという評価です。別記事で無地スリーブの徹底比較やハイパーマットシリーズ3種類の比較をした結果では、ハイパーマットスリーブは尖った強みがない平均的なスリーブという印象です。
欠点を挙げるとすると、サイドの裂けやすさと横入れシャッフル時のひっかかりやすさです。
側面の裂けやすさはカードの扱い方や横入れシャッフルの力加減などで変わりますが、人によっては頻繁にスリーブを取り換えることになります。
また、横入れシャッフルの感覚については悪いというわけではないですが、スリーブの側面同士がぶつかりやすいのが気になります。他のスムーズにシャッフルできるスリーブを体験してしまうとどうしても見劣りしてしまいます…僕はKATANAスリーブなどを使うようになってから、ハイパーマットに戻れなくなりました…。
普段からスリーブが裂けやすいという方や、シャッフルのしやすさを優先したい方は『KATANAスリーブ』や『UitraProイクリプススリーブプロマット』がおすすめです。
ハイパーマットの上位版『ハイパーマットプレミアム』も裂けやすいですがシャッフルはスムーズにできます。
ハイパーマットスリーブ以外の無地スリーブについても知りたい方は、別記事の『無地スリーブのおすすめを徹底比較』もぜひチェックしてみてください。


KATANAスリーブはこちら
イクリプススリーブはこちら


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